2023
02.09
前照灯~『入浴福祉新聞 第93号』より~
従事者向け
『入浴福祉新聞 第93号』(平成17(2005)年9月15日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
前照灯
夏は汗。
エアコンの普及で汗をかかない人が増えている。
だが、汗には皮膚温や体温の上昇を防ぐだけでなく、皮膚表面の角質槽に水分補給もする重要な役割もある。
汗をかかない冬に乾燥肌が多くなるのはそのためでもある。
汗には皮膚の免疫力を保つ物質も含まれている。
夏はシャワーで済ませる人が多いが、シャワーだけでは汗があまり出ないため、夏も半身浴をして上手に汗をかき、浴後の保湿クリームも忘れないようにしたい。
尿素含有の保湿クリームはよく知られているものの、アミノ酸入りはまだあまり馴染みがない。
味の素の研究所では、このアミノ酸が各層の奥まで浸透することを実験で確かめたという。
高齢者は皮膚のトラブルが何かと多い。褥瘡…湿疹…皮膚そう痒症…慢性蕁麻疹…カンジダ…白癬…疥癬…水疱症…帯状疱疹…などなど。多くの基本原因は、皮膚水分量の減少と免疫力の低下がある。
近年は過度のストレスが皮膚トラブルの原因として重視されるようになってきた。
しかし、積極的に訪問診療に取り組む皮膚科医師は少数。要介護者の皮膚を熟知している入浴介護の専門家は、皮膚科医師にもっとアプローチしたい。
※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。